パノラマで広がる立山連峰、眼下にきらめく富山湾、見渡す限りの瑞々しい水田。富山県立山町に2020年にオープンした、健康と美をテーマにした田園の中のヴィレッジ。そのままの自然と文化施設が一体になっており、一ヶ所に立山の魅力が詰まっています。これからヴィラタイプの宿泊施設「The Villa」やスパ施設「The Spa」が建ち、徐々にひとつの“村”ができあがっていきます。
立山連峰の麓にある昔からの田園風景になじませるために、この地域の伝統的な集落形態、散居村をイメージして建物を分散して配置。建築家・隈研吾氏が設計した建物には、ハーブが入った和紙や稲藁の断熱材など、周囲の田畑で作られた作物が使われ、周辺の環境と育てていく建物になるように計画しています。またこれらは、水田の上に作られた日本で初めての建物です。
既にオープンしているレストラン「The Kitchen」「The Table」やアロマ工房「The Workshop」では、地元で集めた野菜や米、ジビエ、そしてラベンダーやハッカなどの和洋ハーブを提供しています。今後予定している「The Villa」や「The Spa」でも同様に、地域との結びつきを感じながら、身体と心をリフレッシュする体験をすることができます。 「The Villa」やスパ施設「The Spa」が建ち、徐々にひとつの“村”ができあがっていきます。
前田大介社長もまた、社会貢献、社会的インパクトを重視した投資を行う投資家の一人。ランドアーツの注力事業である、広い視点で環境、地域社会、文化、未来を見据える投資スタイルに前田氏が共感し、“The Villa”の資金調達プロジェクトが始動しました。今回は、ファンド設立を前に改めて弊社代表の横尾が聞き手となり、前田社長がヘルジアン・ウッドで目指す将来的ゴールと、インパクト投資の親和性について語ります。
前田大介(以下、前田): 私は、富山湾の近くにある田んぼだらけの村で育ちました。そこには、近所のお付き合いがあって、村の人はほとんど顔見知りで、一緒に地域の祭りを楽しんでという密な結びつきがありました。今は、そういった関係が少しずつ分断されて個人主義になっていき、なにか意思の疎通を図るなど人々が一枚岩にならないときに結びつきが弱い世の中になっていると思うんです。昔ながらの村はその面で吸着力があるので、分断している時代だからこそ、多くの人に「村っていいよね」と思っていただき、地域や地方が再編集されるきっかけになったら素敵だと思いました。
そして、村を作るにあたり、富山の独特な自然体系、水系を表現できる土地を探し、ご縁があって今の場所に行き着きました。立山連峰、富山湾、水田に囲まれた風景の中で、世界一美しい場所を目指そうと考えました。これから「The Villa」をはじめ、新しい施設を展開していく村づくりを行っていきます。
前田: 立山の周りに限界集落があるため、「このような環境になじむ感じがいいよね」と、耕地の中に住居が点在する伝統的な散居村をオマージュして、今の時代に再現しようというお話をしました。水田に浮かんでいるように存在する建築を目指しました。
私たちが作るものは村ですので、パン屋を作りたかったらその都度配置していこうという、20〜30年先までのビジョンで描く村づくりを、隈さんと共有しています。また、世界一美しい「村」を作る意味で、カンボジア人やインド人など諸外国出身のスタッフとともに、国籍や性別、年齢を超えた多様性をリスペクトするように伝えています。
前田: グローバルに通じるように「The Villa」としていますが、私たちの感覚では“豪農の館”です。富裕農家が、県外から来た人に宿泊場所を提供し、おもなしをする館をイメージしています。昔の農家がこんな暮らしをしていたのかと知ることができる宿泊施設にする予定です。広い平家に、釜戸を備えた広い土間があり、目の前には立山連峰と水田が広がる。富山の雄大な自然を丸ごと借景させてもらいます。そこでは、働く人と訪れた人の温かいつながりが生まれます。
前田: ヘルジアン・ウッドを手がけるGEN風景は、私が代表を務める製薬会社(前田薬品工業)が母体になっているルーツがあります。社長に就任して8年ですが、私自身が薬を使うことが苦手で、できるだけ食事や肌に触れる石鹸やシャンプーなどの製品で健康になりたいと考えています。製薬会社の化学的なエビデンスに基づいた美の健康のコンテンツを、薬とは違う形で提供したい思いを込めてテーマとしました。
前田: できるだけ農地を壊さない。古くなった民家をスクラップビルドせずに、あるものをアップサイクルしていくことを意識しています。高城剛さんが掲げる「キロメートル・ゼロ」のように、1km範囲内で採れる植物や農産物、米、野菜、ビジエといったさまざまな命をいただくことができれば実に豊かなこと。同時に、ヘルジアン・ウッドの活動を通じて、一次産業の世界的なブランド化を考えています。テクノロジーを含めてうまくつなげながら進めていきたいです。
自分たちのご先祖様は代々、次の世代のため、次の地域のために投資をしてきてくれて、その上で僕たちは生かされていると思っています。同じく、私たちが子供たちの世代に何を残してあげられるかを考えて、彼らが生きる場所に投資していくことは至極当たり前のことです。
前田: 「The Villa」が完成した暁には、立山連峰の麓で日本の古くからの居住スタイルを体験しながら人間性の回復を望めるでしょう。世界一美しい「村」を作るという標榜を掲げ、世界に発信していくにあたり、ヘルジアン・ウッドの価値を共有する仲間を募りたい。ある種、お金を出しても買えない価値に魅力を感じて、クラウドファンディングではなくリアルな顔が見える形で投資してくださる方は、仲間になってくださると考えています。
また、今回の規模の投資してくださるのはおそらく経営者や資産家で、その方々は無形の文化やアートに対して、深い造詣、広い視野と視座を持っていると思います。失われつつある日本の良き文化、風習を残しながら、「The Villa」を拠点に村を展開にしていく大きな思いや夢や憧れを、若干のノスタルジーを持ちながら、一緒に共有していただけたら幸いです。
近い将来には、家族で気軽に泊まれるホテルや林間学校にも活用いただけるようなコテージなどを作る構想もあります。
前田: 横尾さんは、ここ数十年、もしかしたら100年くらい続いている投資や金融の考え方とは違うところにいち早く取り組まれています。それは、経済的リターンと社会的課題の解決との両立を実現するインパクト投資で、とりわけアートの業界との結びつきを生かして事業をされています。芸術と金融が掛け合わされると今までにないインパクトのある面白い価値が生まれると思っていて、そこを表現、実現できる人はホンモノです。金融や投資というと冷たい感じがしますが、人と人との温もりが存在するスキームができると考えています。
すでに新潟県の里山アートをはじめ、農村を活用したアートが少しずつ出てきていますが、富山立山にもアートを点在させたいと思っています。それにより人が集まり、流れが生まれて、ラストワンマイルが脆弱である中山間地域の交通インフラを強化することができます。そこに、自動運転などのテクノロジーを含めて新しい人間の活動が生まれたとなったら素晴らしい。立山、ひいては富山に大きな意味があります。そんな20〜30年先のビジョンを持って、ランドアーツさんとのシナジーを期待しています。
1979年富山県生まれ。
富山に生まれ、富山で英数塾を経営する父と母のもとで山裾や海辺の田舎町や村で育つ。前田薬品工業(株)3代目代表取締役社長、株式会社GEN風景代表取締役社長。将来の夢は海外でおでんと日本酒の小さなバーを営むこと。好きな言葉「まじめに好きなようにやんな」。
1976年神奈川県生まれ。
2000年慶応大学経済学部卒業後、アクセンチュアに入社。
その後、不動産ファンド会社やドイツ証券・みずほ証券などの投資銀行部門にて約15年間不動産・金融業界に従事。2018年3月にランドアーツ株式会社を設立
当社のパーパス(存在意義)は、「感動に満ちた世界をつくる」こと。
不動産領域におけるサステナブルな投資仲介事業を通じて、人と不動産と資金をつないでいきます。
不動産の投資資金の流れを変えることによって、
感動が生まれる世界中の素晴らしい場所にしっかりと資金が行き届くようサポートします。
また、投資家自身が、投資先の不動産と深い関わり合いをもって
その地域社会、文化に貢献できる豊かな循環をつくりたいと考えています。
投資において、経済的リターンの追及だけではなく、広い視点で環境、地域社会、文化、未来にも配慮することを心がけています。
特に経済的リターンと、社会的な課題解決の両立を目指した「インパクト投資」に注力しています。
近年より重要になっているSDGs(持続可能な開発目標)の達成、環境問題や地域社会に関する課題解決に対して、不動産は貢献できるポテンシャルが大きいと言われています。
当社は、不動産の開発・取得に必要な資金調達に関して、以下のようなサービスを提供します。
・インパクト投資型の不動産ファンド
・投資対象は、隈研吾設計のヴィラ2棟
・世界一美しい村づくりへの参加
・富山地域コミュニティー、投資家間の豊かなつながり
20年、30年後を見据えた「世界一美しい村づくり」のビジョンに
共感、賛同いただける投資家に参加して頂けるよう準備しております。
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